原田泰子さん、修さんご夫妻
美味しいパンを作り続けることで、温かく受け入れてくれた地元の人たちに恩返しがしたい

ゆるやかに流れる千綿川のほとり。大村湾からの潮風をほのかに感じる国道沿いに、「ベーカリー&カフェ いと」があります。
小ぢんまりとした店内は、週末ともなると近所の方や評判を聞いて訪れた遠方からの人々で大にぎわいに。
そんなお客さんの間を、慌ただしくも充実した表情で行き来しているのが、同店を営む原田さん夫妻です。
妻・泰子さんが店内の工房でパンを焼き、レジ対応やカフェのドリンク作りは夫・修さんの役目。ぴったりと息が合った仕事ぶりが、2人の仲の良さを物語っているかのようです。
ご夫婦の夢~物件探し

2人が東彼杵に移住してきたのは2017年9月のこと。それまでは北九州に住み、修さんは公務員、泰子さんは教育関係の仕事を続けていました。
そんな原田夫妻が当時抱いていた夢は、将来どこかで小さなベーカリーを開きたいというもの。
「実は私は昔からパン作りが大好きで、夫もこの想いに共感してくれていて、よく2人で『こんな店がいいよね』なんて夢を語り合っていましたね」と泰子さんは笑います。
実際に場所探しも始めていたとのことですが、なかなか「これ」といった物件は見つからなかったそう。
「そんなとき、候補の1つだった東彼杵町役場の担当の方を通して、現在の建物に空きが出たことを知ったんです」と修さん。
人通りの多い街中より静かで落ち着いた環境でと決めていた2人にとって、ロードサイドながらもゆったり時間の流れるこの場所は、まさに理想的な場所。
「決めるならすぐがいい。その時点ではもう仕事を早期退職することを決断してしまっていました(笑)」(修さん)
引っ越し~地域とのつながり

こうして2人は東彼杵町へ引っ越してくることに。
かつて直売所として使われていた建物を自分たち自身で1つ1つ手直しし、半年後の2018年春には原田夫妻の夢がぎっしり詰まったベーカリー&カフェが完成しました。
「最初のうちは、本当にお客さんに来てもらえるのか不安に感じることもありました。でもその時に心の支えになったのは、実は近所の方からのとっても温かな応援の声だったんです。みなさん営業時間外でもわざわざ店に立ち寄って『大丈夫?』『困ったことがあれば言ってね』なんて声を掛けてくれて…明日からもうひと頑張りしてみようって、すぐに気持ちを切り替えることができました」(泰子さん)
夫婦二人三脚、描き続ける夢のストーリー

その後、泰子さんが作る優しい味わいのパンが評判となり、お客さんの数も順調に増加。
地元の方同士、あるいは他地域からの人々との「結び目」となるべく名付けられた店名の通り、『ベーカリー&カフェ いと』は今やこの地域には欠かせない存在へと成長することになります。
修さんは言います。「オープンから3年。これから先は、当初私たちを優しく受け入れてくれた地元の人たちに、今度は1つでも多くの笑顔をお返しできるようになっていきたい。美味しいパンを食べていただくことはもちろん、ゆくゆく独り暮らしの高齢者の方にも喜んでもらえるよう移動販売などにも挑戦してみたいですよね」。
移住者夫婦が二人三脚で描き続ける夢のストーリーは、まだまだ始まったばかりなのかもしれません。
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更新日:2021年07月13日