○東彼杵町職員の分限処分に関する取扱要綱
平成31年1月18日
告示第9号
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この要綱は、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第28条第3項の規定に基づき、職員の意に反する降任、免職、休職及び降給(以下「分限処分」という。)を行う場合において、別に定めがあるもののほか、分限事由に該当する可能性がある場合の標準的な対応措置等に関し必要な事項を定めるものとする。
(対象職員等)
第2条 この要綱の対象となる職員は、次の各号のいずれかの場合に該当する職員とする。
(1) 勤務実績不良な場合(法第28条第1項第1号関係)
(2) 心身の故障のため職務の遂行に支障等がある場合(法第28条第1項第2号関係)
(3) 適格性欠如の場合(法第28条第1項第3号関係)
(4) 第12条第1項の規定に基づく受診命令に違反した場合(法第28条第1項第3号関係)
(5) 行方不明の場合(法第28条第1項第3号関係)
第2章 勤務実績不良職員及び適格性欠如職員に対する対応措置
(所属長の報告)
第5条 所属長は、前条の規定により記録した行動観察記録・対応状況記録票及び収集した資料を人事担当課長(町長部局及び教育委員会その他の行政委員会における人事担当の所属長をいう。以下同じ。)に提出し、当該職員の状況を報告しなければならない。
(人事担当課長による事実確認)
第6条 人事担当課長は、前条の規定による報告があったときは、当該職員と面談を行い、勤務実績不良又は適格性欠如の内容について、事実確認を行うものとする。
2 人事担当課長は、前項の面談のほか、必要に応じて、当該所属長及び当該所属の同僚職員等から聴取り等を行い、事実確認を行うものとする。
2 前項の規定により警告書の交付を受けた職員は、文書の提出により、当該警告書に対する弁明を行うことができる。
(警告書の交付後の観察)
第8条 所属長及び人事担当課長は、任命権者による警告書の交付後、当該職員の状況が改善されているかどうか、継続して注意深く観察し、及び確認するものとし、必要に応じて、当該職員に対し、指導等を行うものとする。
2 所属長は、任命権者による警告書の交付後における当該職員の状況について、引き続き、行動観察記録・対応状況記録票に記録しなければならない。
第3章 心身の故障のため職務の遂行に支障等がある職員に対する対応措置
(所属長の対応措置)
第10条 所属長は、当該職員が第2条第1項第2号に該当すると認められるときは、その者の心身の故障の状況等を綿密に把握し、行動観察記録・対応状況記録票により、遅滞なく人事担当課長に報告しなければならない。
(人事担当課長の対応措置)
第11条 人事担当課長は、前条の規定による報告があったときは、必要に応じて、当該職員若しくはその家族等と面談等を行い、又は主治医等に連絡し、状況の把握に努めなければならない。
(1) 前条の規定により人事担当課長が状況を把握した結果、法第28条第1項第2号に該当する可能性が高いと認められるとき。
(2) 勤務実績不良又は適格性欠如の例に該当する場合で、その問題行動が心身の故障に起因すると思われるため、人事担当課長が医師の受診を勧めたにもかかわらず、これに従わないとき。
2 任命権者は、前項の規定により受診命令を受けた職員が正当な理由がないのにこれに従わない場合は、法第28条第1項第3号に該当するものとして、東彼杵町職員懲戒分限審査委員会に対し、当該職員の分限処分について諮問するものとする。
(診断結果に基づく措置等)
第13条 任命権者は、当該職員が前条第1項の規定に基づき受診した結果、任命権者が指定した2人の医師から、将来的に回復の可能性がないため、又は病気休職の期間中には回復の見込みが乏しく長期の療養を要するため、職務の遂行には支障があり、又はこれに堪えない旨の診断がなされた場合は、東彼杵町職員懲戒分限審査委員会に対し、当該職員の分限処分について諮問するものとする。ただし、引き続き再度の病気休職を要するため職務の遂行に支障がある等の診断がなされた場合は、東彼杵町職員懲戒処分審査会への諮問を省略することができる。
3 任命権者は、当該職員が前項の規定に基づき職務に復帰した後、1年以内に、再び同様の疾病のため病気休職となった場合は、東彼杵町職員懲戒分限審査委員会に対し、当該職員の分限処分について諮問するものとする。
第4章 行方不明の場合の対応措置
(所属長の対応措置)
第14条 所属長は、当該職員の行方不明の事実が判明した場合は、速やかに人事担当課長に報告するものとする。
(分限処分の検討)
第15条 任命権者は、当該職員が行方不明となった後、1か月を経過しても行方が判明しない場合は、職場への復帰が見込まれないものと推定して、東彼杵町職員懲戒分限審査委員会に対し、当該職員の分限免職処分について諮問するものとする。
第5章 分限処分の実施
第16条 任命権者は、分限処分を実施する場合におけるその内容については、東彼杵町職員懲戒分限審査委員会の答申の内容を尊重して、決定するものとする。
第6章 雑則
第17条 この要綱に定めるもののほか、分限処分に関し必要な事項は、別に定める。
附則
この要綱は、公布の日から施行する。
附則(令和2年12月17日告示第165号)
この告示は、公布の日から施行する。
附則(令和3年12月1日告示第139号)
この告示は、令和3年12月1日から施行する。
別表(第2条関係)
分限処分の事由に該当し、対応措置が必要となる事実の例 | |
勤務実績不良 | 初歩的な業務上のミスを繰り返し、業務の成果物又は処理数が職員の一般的な水準と比べて著しく劣る。 |
所定の業務の処理を行わず、又は上司への報告、相談等を怠る等独断で業務を行う。 | |
担当業務を処理することができず、常に上司その他の職員等からの支援を必要とする。 | |
正当な理由がないのに業務の処理に係る期限を守らず、又はその業務を行わない。 | |
遅刻又は欠勤を繰り返し、出勤状況が悪い(事前に所属に連絡がある場合を含む。)。 | |
勤務時間中に無断で頻繁に自席を離れ、又は業務外の電話若しくは電子メール・インターネットに興じるなど職務に専念しない。 | |
人事評価等において、連続して最低ランクの評価をされるなど改善の努力が見られない。 | |
心身の故障 | 3年間の病気休職(復職後90日以内に再び同様の疾病のため病気休職となった場合を含む。)の期間が満了するにもかかわらず、病状が回復せず、今後も職務の遂行に支障がある。 |
病気休職中であるが、心肺機能停止後こん睡状態や脳死状態であるなど、今後回復して就労が可能となる見込みがない。 | |
5年にわたり病気休暇と病気休職を繰り返し、それらの累計が3年を超えることとなるが、症状が回復せず、職務の遂行に支障がある。 | |
適格性欠如 | 上司その他の職員等に対する暴力、暴言、ひぼう又は中傷を行う。 |
上司その他の職員等又は市民等との対応において、もめごとを繰り返す。 | |
他者とのもめごとにより、当該職員本人の業務の停滞だけでなく、他の職員の業務の遂行にも悪影響を及ぼしている。 | |
粗暴な言動により、他者ともめごとを繰り返す。 | |
公務員として必要な適格性・品位・社会的信頼に対し、疑問を抱かせるような問題行動を繰り返す。 | |
上司等からの指導に対し、反抗的な態度を示し、反省又は改善の行動が見受けられず、同じようなことを繰り返す。 | |
懲戒処分を受けた者がその後3年以内に非違行為(交通法規違反、管理監督責任及び軽過失によるものを除く。)を行った。 | |
受診命令違反 | 心身の故障のため職務の遂行に支障等がある場合又は勤務実績不良若しくは適格性欠如に該当する者で、その問題行動が心身の故障に起因するものと思われる場合であって、任命権者が指定した医師への受診命令に従わない。 |
行方不明 | 水難、火災その他の災害によるもののほか、当該職員と連絡が取れず、1か月以上にわたり行方不明である。 |