○東彼杵町町税等滞納処分執行停止事務取扱要綱

平成24年10月1日

告示第103号

(趣旨)

第1条 この告示は、町税等(国民健康保険税及び本町が賦課徴収する個人の県民税を含む。以下同じ。)の徴収事務を適正に処理するため、地方税法(昭和25年法律第226号。以下「法」という。)第15条の7第1項各号の規定により滞納処分の執行を停止する場合(法第15条の8の規定によりその停止を取り消すときを含む。)の取扱い及び法第15条の7第5項に規定する即時消滅を実施する場合の取扱いを的確かつ適正に行うために必要な事項を定めるものとする。

(滞納者等の状況及び調査等の指針)

第2条 滞納者等の状況に応じた実態調査、財産調査等に当たっての指針は、おおむね次のとおりとする。

滞納者等の状況

調査等の指針

(1) 町外転出者で、住民登録地で既に執行停止処分になっている場合

(2) 国税又は県税の滞納において、既に執行停止処分になっている場合

他機関の調査結果を援用し、本町が必要な調査を実施したものとみなす。

町内に住民登録があり、かつ、町内に居住している場合

預貯金その他の財産調査を実施する。

なお、滞納金額10万円以上の滞納者については、本籍地の資産の調査を実施する。

町内に住民登録があり、所在不明の場合

預貯金その他の財産調査及び現地調査を実施する。

なお、滞納金額10万円以上の滞納者については、本籍地の資産の調査を実施する。

町外転出者で、かつ、町外に居住している場合

住所登録地の市区町村長への実態調査及び預貯金その他の財産調査を実施する。

なお、滞納金額10万円以上の滞納者については、本籍地の資産の調査を実施する。

町外転出者で、郵便物が不達になった場合

住所登録地の市区町村長及び本籍地への実態調査及び預貯金その他の財産調査を実施する。

なお、滞納金額10万円以上の滞納者については、本籍地の資産の調査を実施する。

法人の破産手続において、免責決定(同時破産廃止決定による免責を含む。)があった場合

関係書類の写しの提出を受けることにより、財産調査を実施したものとみなす。

滞納者が死亡した場合で、現年度の固定資産税の課税がない場合

配偶者、直系尊属1親等及び直系卑属1親等の戸籍調査を実施する。

滞納者が死亡した場合で、現年度の固定資産税の課税がある場合

法定相続人の戸籍調査を実施する。

個人について、おおむね1年以内に預貯金その他の財産調査を行った場合

再度の財産調査は、行わない。

法人の実態が不明である場合

(郵便物不達、電話不通、所在不明等。町外の回答機関から、該当なし、法人市町村民税発生せず、廃業等との回答があった場合)

財産調査及び商業登記簿調査を実施する。

(無財産の場合における滞納処分の執行停止の基準)

第3条 法第15条の7第1項第1号に規定する「滞納処分をすることができる財産がないとき」とは、滞納者が、有効な分割納付(おおむね3年程度で完納できるものに限る。)に応じる資力がなく、又は法第15条第1項の規定による徴収猶予の申請をしない場合で、かつ、次の各号のいずれかに該当するときとする。

(1) 国税徴収法第75条(昭和34年法律第147号)から第78条までに規定する差押禁止財産以外に、差し押さえることができる財産がないとき。

(2) 差し押さえた財産又は差し押さえようとする財産の換価価値について、町税等に優先する他の債権の弁済に充てられたとした場合に、その後の残余金が生じる見込みがない事情が明らかであるとき。

(3) 破産法(平成16年法律第75号)の規定により破産手続開始の決定が行われた個人又は法人で、執行機関に対して交付要求を行った場合に、個別財産に対する抵当権等の別除権の実行によりその後の残余金を生じる見込みがない事情が明らかであるとき。

(4) 差押えの対象となる全ての財産について差し押さえ、換価(債権の取立てを含む。)を完了したが、なお徴収できない町税等があるとき。

(5) 資産の売却等による譲渡所得により一時的に高額の町税が課せられた場合に、その売却等の代金を他の債務の弁済に充てたため、その課税に見合う財産が他にないとき。

(6) 滞納者が町外へ転出し、現年度の固定資産税の課税がない場合で、住所登録地で既に執行停止処分となっているとき。

(7) 滞納者が町外へ転出し、現年度の固定資産税の課税がなく、かつ、滞納金額が10万円未満の場合で、住所登録地で既に滞納金額が20万円以上となっているとき。

(8) 滞納者で、国税、県税又は市町村税の滞納において、既に執行停止処分になっているとき。

2 滞納者が死亡し、現年度の固定資産税の課税がない場合で、納税義務を承継する配偶者、直系尊属1親等及び直系卑属1親等について、前項の要件に該当するとき。

(生活困窮の場合における滞納処分の執行停止の基準)

第4条 法第15条の7第1項第2号に規定する「滞納処分をすることによってその生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき」とは、個人の滞納者が、有効な分割納付(3年程度で完納できるものに限る。)に応じる資力がなく、又は法第15条第1項の規定による徴収猶予の申請をしない場合で、かつ、次の各号のいずれかに該当するときとする。

(1) 滞納者の主たる財産が居宅(その居宅が存する土地を含む。)のみである場合(居宅の存立のために必要な範囲の土地以外の土地を除く。)で、現に生活保護法(昭和25年法律第144号)による生活扶助を受けているとき又は当該財産を換価することにより生活保護法の規定による生活扶助を受けることとなるおそれがあるとき。

(2) 個人の町県民税が非課税であるとき。ただし、未申告者は、除く。

(3) 滞納者が生活保護法による生活扶助を受給し、又はその受給を受けなければ生活を維持することができない程度の状態(国税徴収法第76条第1項第4号に規定する金額で営む生活の程度)になるおそれがあるとき。

2 法第15条の7第1項第2号は、法人において「滞納処分をすることによって営業の継続を著しく困難にさせるとき」を含むものとして類推して適用することができるものとし、本町の滞納処分を契機として他の債権者の権利実行により債務超過が顕在化し、廃業又は破産を余儀なくさせる等、今後の営業の継続を著しく困難にさせる事情が生じるおそれがある場合に適用するものとする。

(所在不明の場合における滞納処分の執行停止の基準)

第5条 法第15条の7第1項第3号に規定する「その所在及び滞納処分をすることができる財産がともに不明であるとき」とは、次の各号のいずれかに該当するときとする。

(1) 町税の賦課徴収に係る各種文書の送達を公示送達により行った場合で、住所又は居所若しくは連絡先が引き続き不明であり、かつ、財産の存否が不明であるとき。

(2) 督促状又は催告書が返戻されたため実態調査を実施したが、所在及び財産の存否が不明であるとき。

(3) 転出先とされる市区町村に実態調査の依頼をした場合に、不明との回答を得たとき。

(即時消滅の基準)

第6条 法第15条の7第5項に規定する「徴収金を徴収することができないことが明らかであるとき」とは、次の各号のいずれかに該当するときとする。

(1) 解散した法人又は解散登記はしていないが廃業して事業再開の見込みがない法人について、第3条又は第5条の規定に該当する事実があると認められるとき。

(2) 破産法により破産宣告を受けた法人について、破産手続が終了していないため破産管財人に納税通知書を送付した場合において、第3条の規定に該当する事実があると認められるとき。

(3) 株式会社について会社更生法(平成14年法律第154号)による更生計画が認可決定された場合において、その更生計画において未納の町税等が認められず、その会社が免責されたとき。

(4) 法人について民事再生法(平成11年法律第225号)による再生計画が認可決定された場合において、その再生計画において未納の町税等が認められず、その法人が免責されたとき。

(5) 法人が破産法による破産宣告を受け、町税等が同法第148条に規定する財団債権として取り扱われたが、全ての未納額に配当を受けることなく破産手続が終了したとき。

(6) 相続人が不存在の場合又は全ての相続人が相続を放棄した場合において、その相続財産法人について、第3条の規定に該当する事実があると認められるとき。

(7) 相続を限定承認した相続人が、その相続によって継承した財産の価値を限度として納付(換価を含む。)しても、なお未納があるとき。

(8) 滞納者が第3条の規定に該当する事実があると認められ、生活保護法による生活扶助を受けているとき。

(9) 滞納処分による換価を行った後において、なお未納がある場合であって、第3条の規定に該当する事実があると認められるとき。

(10) 高齢者、寡婦(夫)、身体障害者(精神障害者及び知的障害者を含む。)又は入院加療中(おおむね3箇月以上の者)の者であって、第4条第1項第1号の規定に該当する事実があると認められるとき。

(11) 外国人又は海外移住者がその所有財産がなく出国したとき。

(課税年度、税目等による区分停止の実施)

第7条 町税吏員(東彼杵町税条例(昭和40年条例第11号)第2条第1項第1号に規定する者をいう。以下同じ。)は、滞納者の資力を勘案して、全体の滞納町税等のうち、課税年度、税目又は相続し、若しくは承継した町税等債務について区分し、滞納処分の執行停止を行うことができるものとする。

(滞納処分の執行停止の手続)

第8条 滞納処分の執行停止の決定は、滞納処分執行停止調書兼決議書(様式第1号)により行うものとする。

2 町税吏員は、前項の規定による決定をしたときは、当該決定をした日から毎年滞納処分の執行停止の継続について確認しなければならない。ただし、法第15条の7第5項の規定により、徴収金を納付し、又は納入する義務を直ちに消滅したときは、この限りでない。

(滞納処分の執行停止の通知)

第9条 前条第1項の規定により滞納処分の執行停止の決定をしたときにおける法第15条の7第2項の規定による通知は、行わないものとする。

(滞納処分の解除の時期)

第10条 町税吏員は、滞納処分を行った場合で、その執行停止により滞納処分を解除するときは、法第15条の7第1項第1号又は第3号を理由とする執行停止であるときは、滞納処分の解除の後に行うものとし、同項第2号を理由とする執行停止であるときは、執行停止を行った後に滞納処分を解除するものとする。

(滞納処分の執行停止の取消し要件)

第11条 法第15条の8の規定により滞納処分の執行停止を取り消す場合は、次の各号のいずれかに該当するときとする。

(1) 滞納者が滞納処分の対象となり得る財産を取得したとき。

(2) 滞納者の住所又は居所及び滞納処分の対象となり得る財産の所在が判明したとき。ただし、徴収の見込みが生じた場合に限り、執行停止を取り消すものとする。

(滞納処分の執行停止の取消しの手続)

第12条 町税吏員は、第8条の執行停止の決定をした場合において、法第15条の7第1項各号のいずれにも該当しないことが判明したときには、法第15条の8第1項の規定に基づき速やかに滞納処分執行停止取消決議書(様式第2号)により、その取消しを決定しなければならない。

(滞納処分の執行停止の取消しの通知)

第13条 滞納処分の執行停止の取消しの決定をしたときにおける法第15条の8第2項の規定による通知は、行わないものとする。

(滞納処分の執行停止取消し後の新たな滞納処分)

第14条 町税吏員は、滞納者について滞納処分を開始した後に執行停止を実施した場合で、その執行停止を取り消したときは、執行停止前の滞納処分を続行するのではなく、新たな滞納処分を行うものとする。

この告示は、平成24年10月1日から施行する。

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東彼杵町町税等滞納処分執行停止事務取扱要綱

平成24年10月1日 告示第103号

(平成24年10月1日施行)